こんにちは、アスシア株式会社、シニアコンサルタントの松山です。
「採用」はときどき「お見合い・婚活」と比較されることがありますが、今回は、昨年末に婚活業界で働いている友人から聞いたことから感じたことをお話させていただきます。
採用でも婚活でも、当たり前ですが“上手くいかないケース”があります。
まず、婚活サイドの“上手くいかないケース”ですが、下記のようなことがあるそうです。
1)期待し過ぎている
2)スペックばかり見ている
3)自分を客観視出来ていない(自己分析が不十分)
4)婚活方法が自分にあっていない
5)結婚相手像、自分の望むライフプランが明確ではない
6)過去の相手を引きずっている
7)減点方法でジャッジする
次に、私が採用サイドで体験した“上手くいかないケース”について挙げてみます。
1)候補者が存在しないだろう高い採用要件を掲げている
2)学歴や転職回数ばかり見ている
3)競合他社と自社の比較が不十分
4)人材紹介会社の紹介方式が自社にあっていない
5)採用要件が不明確、かつ採用後のキャリアパスが不明確
6)優秀な人材を採用できた時と比較し、その時のベストを逃してしまう
7)減点方式で面接を行う
いかがでしょうか?
まさに婚活と採用ではうまくいかない理由が非常に似ていたのです!
具体的に、私が実際に携わってうまくいかなかった採用活動例をご紹介します。
■A社の場合
従業員数500~1,000名規模のA社では採用に苦戦するエンジニアポジションがありました。
採用要件は業界最大手の企業と同じような要件で且つ待遇は劣るものでした。もちろんうまく採用が進むわけもなく、応募数も少なく、あったとしても他社負けする状況が続きました。
変わらぬ状況を打破すべく、私は半年間以上にわたって「求める人材の希少性、採用競合について」を根気よく伝え続けました。時間は要しましたが、採用が思ったように進捗しないことに加えて採用業務がひっ迫したこともあり、年齢に対する考えは緩和するとおっしゃっていただくことができました。
その結果、私からも先方のニーズに合致する同業界出身の有力な候補者様を紹介することが出来ました。経験業務も親和性も高くお人柄もよかったことから、一次面接で採用担当者からも非常に評価の高い方でした。
しかし結局のところ、その方は最終面接で「想定よりも年齢が高く育成に時間を要するだろう」という理由で現場から「お見送り」と判断をされたのです。現場の役職者の方のお考えは根本的には変わっていなかったのです。
後日談として、お見送りとなったその方は同業界のよりシェアの高い企業への入社が決まり活躍しています。かたやA社は2年たった今も頑なに要件を変えず採用ができていない状況です。
この会社は、先ほど私が列挙した“上手くいかないケース”に複数当てはまったのです。
では、どうしたら良かったのでしょうか。
今回私が伝えたいことは、「100点を求める採用活動は今のご時世にマッチしていない」ということです。少子高齢化に伴い労働人口の減少が進んでいます。今以上に人材確保のハードルが上がることが明確です。
「御社の社員は、見送ったその方よりも皆さん優秀ですか?」
少し乱暴な言葉ですが、事業を継続・発展させてゆくためには「選ぶ採用」から「活かす採用」に変わっていく必要があるのです。
もし採用が上手くいかないポジションがある場合は、外部からの意見を聞いたり、根本的なヒアリングのやり直し、または採用に関わる方向けの研修を実施するのをオススメします。ご支援する中で根気強く話し合いを続け、市場感を理解するにつれ状況は好転していくという企業様は多数あります。

●得意領域
製造業企業の職(設計、生産技術、品質管理、生産管理、営業 等)で、主に、マネジメント層・経営層を得意としております。
●心がけていること
希望を正確にお聞きし、人材紹介のプロとして必要なことを必ず伝えることをモットーとしています。人によっては転職が最善ではありません。転職にはリスクもあるということを念頭に、一緒に最善の解決策を模索します。