コンサルタントの飯塚です。
春の転職市場が活発な時期が落ち着きを見せ始める最近、企業の人事とお話する機会が増えている中でよくうかがうことを今回はお話します。
『以前に比べ選考でお会いする方が何を言いたいかが掴めないと感じている』というのは近頃よく挙がる話題です。表現力やコミュニケーション力が低下しているように感じるそうです。
複合機営業からIT営業への転職を目指した方の面接のやりとりを例にします。
面接官:どうして弊社でのIT営業への転職を考えているのですか?
A様:IT業界に魅力を感じて、頑張りたいと思ったからです。
面接官:どうしてそう思ったのですか?
A様:複合機が売りにくくなっているので、他の業界に移りたいと思いました。
上記のやり取りについてどう感じますか?面接官が求めている回答ができているでしょうか。
このように、面接官の質問意図から少しずつ回答がズレていたりする方が多いそうです。
あいまいな表現で何を伝えたいのかが分からない。
自分本位な表現で面接担当者の方が得たい情報を聞けない。
というようなケースが、特に30代中盤くらいまでの方によくみられるようです。
とはいえ、実はA様は面接を通過することができました。
それは、ベテランの面接官が丁寧にA様のお考えを確認してくださったからでした。
・IT業界の魅力や応募企業のどこに魅力を感じているのか。
・弊社で、また中長期的にどんなキャリアを実現したいと考えているのか。
・そのために現在どのような課題を感じるようになったのか。
・目標とするキャリア実現の為にどのような努力をしているのか
一度の質問ではなかなか詳細が聞き出せないなかで、面接官によって丁寧な質問確認が繰り返されたことで本人の考えや想いが伝わったのでした。
ただし一般的には、最初の質問の背景にはこのような意図があるということを考えずに面接に臨み曖昧な回答をすれば、「お見送り」になることの方が多いです。
A様もリーダー候補を想定しての選考でしたが、本人が当初期待していた役割や待遇での評価は残念ながら叶いませんでした。
面接では、『質問の意図は何か』ということを考えてお話する必要があります。このようなコミュニケーションの基本を意識せずに、文字通りの回答をすれば自分本意に受け取られやすい発言になることが増えるでしょう。
よくある「自己紹介をしてください」というお話が面接担当の方からあった場合に、どのような話をすべきでしょうか。生い立ちでしょうか。違いますよね。
今回の応募企業に関係のある内容は丁寧に、関係の薄いことは簡潔にお話するべきでしょう。質問には意図があるので意図をしっかり考えて話すことに集中してみると、実りの多い深いコミュニケーションになるではないでしょうか。
ぜひ意識してみてください。
教育や人材業界、スタートアップでのHR責任者を経てアスシアへ参画。プライベートでは2児の父。
●強み
企業側での採用経験もあり、人事担当者の目線もふまえたご支援が可能です。 またIT業界に特化してご支援しているからこそ、ご自身だけでは気づけなかった提案をいたします。
転職という大きな転機には不安や迷いもあると思います。思いを受け止め安心して活動いただけるよう、圧倒的な情報量とお一人お一人に寄り添ったサポートで伴走します。また転職後も良い関係を続け長く信頼されるコンサルタントでありたいと思っています。